神前結婚式は、その荘厳な雰囲気と伝統的な美しさで、最近再び注目を集めています。神社で行われるこの式は、参加者を厳かな気持ちにさせ、特に白無垢を着た花嫁の美しさは格別です。
神前結婚式には、古くから伝わる決まった流れと手順があり、これに従って進行します。特に、三三九度の儀式は、両家の絆を結びつける重要な儀式として知られ、参加者の心を引き締めます。今回は、この神前結婚式の伝統的な流れと手順について詳しく説明していきます。
神社からホテルまで:多様な神前式結婚式
神前式結婚式、またの名を神前挙式と呼ばれるこの伝統的な結婚式は、近年改めて人気を集めています。この式は、明治33年に大正天皇が行ったことが始まりで、現代の多くの神前結婚式は、欧米の教会式を日本流にアレンジしたものです。
特に、花嫁の白無垢姿や三三九度の杯交わし儀式が伝統的なスタイルとして注目を集めています。神前式は、本格的に神社で行われることが多いですが、結婚式場やホテルでの神前式も可能です。また、少人数の神前式も対応可能な施設が多く、事前に予約時に確認すると良いでしょう。
神前式結婚式では、家同士の結びつきを神職が祝福し、全体の所要時間は約30分から60分です。式の流れは、入場から始まり、新郎新婦、媒酌人夫妻、両家の親族が順に式場に入ります。その後、神職が入場し、お祓い、神職の一拝、祝詞奏上などの厳かな儀式が行われます。
三三九度と誓詞
神前式結婚式では、神職が神に結婚を報告し祝詞を奏上します。全員が起立し、神職の指示に従い一同が着席します。三献の儀、または三三九度として知られる儀式では、新郎新婦が小中大の盃でお神酒を交わします。
1回目と2回目は口をつけるだけで、3回目に飲み干します。この三献の儀は、昔の宮中祝賀行事や戦国武将の勝ちどきにも用いられた伝統的な儀式です。現在では神前結婚式の中でも最も厳粛な部分とされています。
また、式によっては神楽の奉納が行われることがありますが、神社によって奉納のタイミングは異なります。誓詞奏上では、新郎新婦が神前で誓いの言葉を読み上げ、誓詞を神前に献上します。この儀式は、夫婦としての新たなスタートを意味し、参列者にも感動を与える瞬間です。
指輪交換と玉串奉奠
神前式結婚式では、伝統的な儀式が執り行われます。指輪交換の儀は現代の神前式に取り入れられており、新郎新婦がお互いに指輪をはめ合います。また、玉串奉奠(たまぐしほうてん)は、榊の枝に幣や木綿をつけて神前に供える重要な神事です。
巫女が玉串を持ち、新郎新婦が神前に進み一礼して供えます。親族盃の儀では、巫女が神酒を注ぎ、親族がお酒を飲み干します。
斎主一拝の後、神職が退場し、参列者も退場します。これらの儀式は、結婚式の神聖さを象徴し、新郎新婦の結びつきを強化します。
神社での謝礼:初穂料と玉串料の違い
神社での神前結婚式を執り行う際には、神職に対する謝礼が必要です。この謝礼は、結婚式の費用とは別に支払うことが一般的ですが、挙式費用に含まれている場合もあります。
事前に神社に確認することが大切です。「御初穂料」「御玉串料」「御礼」など、謝礼の表書きはさまざまです。初穂料は、農作物の初穂を神に捧げる習慣から来ており、神社での各種祝い儀式や神事に際して納める謝礼に用いられます。
一方、玉串料は、神前に捧げる玉串(榊の枝に紙垂をつけたもの)の代わりとして納める金銭のことです。神社での正式な参拝や神事に際して、白赤の結び切りの熨斗袋に入れた謝礼を用意することが一般的です。新郎新婦の両家の姓を記載した熨斗袋を使用します。
神社婚の費用と初穂料
神前結婚式を行う際、神職への謝礼は重要な部分です。この謝礼は通常、挙式費用には含まれていないことが多く、個別に支払う必要があります。ただし、一部の神社では挙式費用に謝礼が含まれていることもありますので、予約時には確認が必要です。
謝礼の表書きには「御初穂料」や「御玉串料」などが用いられます。初穂料の金額は、個人の場合は5,000円〜10,000円程度が一般的で、会社の場合は10,000円以上が多いです。
神社での神前結婚式とホテルや結婚式場での神式結婚式では、初穂料の金額が異なり、ホテルや式場の方が比較的安価です。神前結婚式の費用は、挙式費用、披露宴費用、神職への謝礼、衣装や写真撮影などが含まれます。神社での挙式の場合は50,000円からが目安で、衣装や写真撮影は別料金となります。
ホテルや結婚式場での挙式は、これらの費用が一式パックになっており、費用の目安は人数×15,000〜25,000円程度です。最近は、神社での挙式にレストランでの披露宴を組み合わせる格安タイプが人気を集めています。
神前結婚式での衣装選び
神前結婚式における新郎新婦の衣装は、伝統的なスタイルが再評価されています。新郎は五つ紋付羽織袴を着用し、白足袋と白草履を合わせます。一方、新婦は白無垢や色打掛を選びますが、披露宴では綿帽子や角隠しを外すこともあります。
出席者の服装は和服に限定されず、最近では洋服を着ることも一般的です。男性の場合は、モーニングコートやタキシードが適切ですが、夜の場ではタキシードが好ましいです。
女性はアフタヌーンドレスやイブニングドレスが適しており、露出の少ないものを選ぶことが望ましいです。靴はパンプスが一般的で、つま先が出るタイプは避けるべきです。
神前式の招待客と親族の服装ガイド
神前結婚式や披露宴に出席する際の親族の服装についてご説明します。男性親族はブラックスーツが一般的で、白のワイシャツとシルバーや白黒ストライプのネクタイを合わせることが推奨されます。
カフスボタンは金や銀、パールが良いでしょう。靴と靴下は共に黒が望ましいです。女性親族は、五つ紋付の黒留袖またはアフタヌーンドレスやイブニングドレスを選ぶことが多いです。肌の露出が少なく、控えめなデザインが好まれます。
靴はドレスに合わせた色のものを選び、つま先が出るタイプは避けるのが望ましいです。一般の招待客も和装にこだわらず、通常の結婚式に相応しい服装で問題ありません。
まとめ
今回は、神前結婚式の伝統とその進行手順をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?内容を簡単にまとめますと以下のポイントが挙げられます。
- 三三九度の儀式は両家の絆を象徴しています。
- 神前式は、明治33年の大正天皇の婚礼が起源で、現代では欧米式に日本の伝統を加えた形式が一般的です。
- 白無垢姿の花嫁や三三九度の儀式が伝統的なスタイルとして注目されています。
- 神社だけでなく、結婚式場やホテルでも神前式の結婚式を行うことが可能です。
- 神前式では、神職が神に結婚を報告し、神職の一拝や祝詞奏上などの儀式が行われます。
- 三献の儀では、新郎新婦が盃でお神酒を交わし、夫婦としての新たなスタートを切ります。
神前結婚式の服装に関しても、新郎新婦や親族、招待客のためのガイドラインが提供されています。神前式では、伝統的な衣装が重視されつつも、現代的なアレンジも加えられていることが特徴です。