お見合い結婚の基本と進め方
結婚相談所やマッチングアプリなど出会いの選択肢が増えた今も、「お見合い」は
信頼できる人の紹介を通じて、結婚を前提としたご縁に出会う方法として根強く選ばれています。
一方で、「形式が難しそう」「マナーを間違えたら失礼では?」と不安を感じて一歩を踏み出せない方も多くいます。
本記事では、初めてお見合いに臨む方や基本を整理したい方に向けて、
世話人選びから書類の準備、会場や服装、当日の流れ、返事の伝え方、交際から結婚までのステップを、
「実際にどう動けばよいか」が分かるように具体的に解説します。
形式に振り回されるのではなく、自分と相手を大切にしながら進めるための実務ガイドとしてご活用ください。
信頼できる世話人の見つけ方と依頼方法
お見合いのスタートは「誰に紹介をお願いするか」です。世話人(仲人)は、双方の人柄や状況をふまえ、
無理のないご縁を結ぶための橋渡しをしてくれる存在です。ここでの選び方が、その後の安心感に直結します。

世話人は特定の資格者である必要はなく、
あなたをよく知る親戚、家族ぐるみの知人、職場の上司、恩師など
「人柄に信頼のおける人」から選ぶのが一般的です。
- あなたの性格・仕事・家庭環境を理解している
- 秘密を守り、デリケートな話題にも配慮できる
- 双方にとって無理のない提案をしてくれる誠実さがある
世話人へ依頼する前に準備しておきたいこと
「とりあえず紹介してほしい」だけでは、世話人も動きにくくなります。次のポイントを整理してからお願いすると親切です。
- 希望する相手像:年齢、居住地、喫煙有無、仕事への理解、価値観などの目安
- 自身の基本情報:氏名、生年月日、学歴・職歴、家族構成、趣味など
- 身上書の下書きと写真:フォーマルな写真+自然な表情のスナップ写真
「条件」だけでなく「どういう人と、どんな家庭を築きたいか」を言葉にして伝えることで、より適したご縁につながりやすくなります。
お見合い提案への正しい対応法

世話人からご縁の提案があったときの対応は、その後の信頼関係と相手への礼儀に直結します。
前向きな場合も、辞退したい場合も、「早めに・はっきり・丁寧に」を徹底しましょう。
まだ結婚を考えられない場合
無理に話を進めてしまうと、相手側にも世話人にも負担がかかります。資料(写真・身上書)を正式に受け取る前に、率直に伝えます。
- 「現時点では結婚を具体的に考えられない状況のため、今回はお気持ちだけ頂きたいです。」
- 「せっかくのお話ですが、ご期待に沿えず申し訳ありません。」
前向きに検討したい場合
興味がある場合は、紹介資料にきちんと目を通し、不明点はお見合い前に世話人へ確認します。
- 写真・身上書・家族構成を落ち着いて確認する
- 気になる点があれば世話人に質問しておく
- 返事は目安として1週間以内に行う
「ぜひ一度お会いしてみたいです」など、前向きな意思をはっきり伝えることで、その後の段取りがスムーズになります。
お見合い用身上書の正しい作り方

身上書(釣書)は、お相手やご家族に安心してもらうための「自己紹介書」です。
結婚後の姿をイメージしやすいよう、正確で誠実な情報を簡潔にまとめます。
一般的には、白い便箋に丁寧な手書きで記入し、白無地の封筒に入れて世話人に預けます。
最近はパソコン作成もありますが、迷う場合は手書きが無難です。
- タイトル「身上書」、氏名・生年月日
- 本籍地・現住所
- 学歴(最終学歴から簡潔に遡る)
- 職歴(勤務先名・職種・在籍期間)
- 資格・免許(生活や仕事に関わるもの)
- 趣味・休日の過ごし方・得意なこと
- 健康状態(支障がなければ「良好」程度で可)
- 家族構成(氏名・続柄・職業・同居/別居など)
過度な自己演出よりも、「この人は信頼できそうだ」と感じてもらえるかどうかを基準に見直すことが大切です。
お見合い用家族書の作成ガイド

家族書は、あなたの家族構成を分かりやすく伝えるための一覧です。
家柄を誇示するためではなく、「どのような家庭環境で育ったのか」を知ってもらう目的で作成します。
- 氏名・続柄・年齢(または生年)・職業・同居/別居を記載する
- 既婚で別居している兄弟姉妹も含めることが多い
- 過度な詳細(会社の内部事情など)は避け、必要な範囲にとどめる
イメージしやすい例として、シンプルな家族書の形式を示します。
| 氏名 | 続柄 | 職業 | 同居区分 |
|---|---|---|---|
| 山田 太郎 | 本人 | 会社員(営業職) | 同居 |
| 山田 花子 | 母 | パート勤務 | 同居 |
| 佐藤 一郎 | 兄 | 公務員 | 別居 |
この程度の情報が整理されていれば十分です。不安があれば、世話人に一度確認してもらうと安心です。
お見合い成功への第一歩:会場選びのコツ
会場は、お互いの第一印象や会話のしやすさを左右する重要な要素です。
「行きやすい」「落ち着いて話せる」「清潔感がある」の3点を満たす場所を選びましょう。
- アクセスしやすく、迷いにくい立地であること
- 清潔で静かすぎず騒がしすぎない、適度な環境であること
- 椅子席があり、長時間でも疲れにくいこと
一般的には、ホテルラウンジや落ち着いたカフェ、場合によっては世話人の自宅などが選ばれます。
初回は食事よりもお茶を飲みながら30〜60分程話す形がおすすめです。
お見合い成功のためのマナーと振る舞い
特別な作法を完璧に覚えるよりも、「時間」「身だしなみ」「言葉遣い」を整えることが何より大切です。
初めての方でも意識しやすい基本ポイントを押さえておきましょう。
- 約束時間の20〜30分前に到着し、化粧室で身だしなみを整える
- 遅れる際は早めに世話人へ電話連絡を入れる
- 紹介時には立ち上がり、笑顔で目を見て「はじめまして」と一礼する
- 話題は仕事・趣味・休日の過ごし方・価値観など前向きな内容を中心に
- 愚痴や悪口、政治・宗教、過去の恋愛話などデリケートな話題は避ける
見合いの日のスムーズな進行法
当日の流れをイメージしておくと、緊張が和らぎます。一般的なお見合いの流れは次の通りです。
- 仲人が先に会場入りし、席を整える
- 当事者が到着し、仲人が双方を紹介
- 三人(または両家)で軽い会話をして雰囲気をなごませる
- タイミングを見て、当事者二人だけで話す時間を設ける
- お開き後、それぞれが仲人へお礼と感想を伝える
二人だけの時間は、お互いの感覚や価値観を確かめる大切な機会です。
聞きたいこと(仕事への考え方、休日の過ごし方、家族との関係など)を事前にいくつか考えておくと、落ち着いて話せます。
お見合いに適した服装とアクセサリー選び
服装は、「自分らしさ」と「相手への敬意」のバランスが鍵です。
高価さよりも、清潔感と落ち着きが伝わるかどうかを優先しましょう。
- 男性:スーツまたはジャケット+シャツ。落ち着いた色合いで、しわや汚れのないもの。
- 女性:ワンピースやセットアップなど上品で露出控えめな服装。明るすぎない色合いが無難。
- 靴:きれいに磨かれた革靴やパンプス。サンダルやスニーカーは避ける。
- アクセサリー:パールなど控えめで上品なもの。派手な装飾や強すぎる香水は控える。
季節や会場の空調に対応できるよう、羽織りものを1枚用意しておくと安心です。
結婚式における仲人の役割と関係
昔ながらのお見合い結婚では、紹介から結婚式まで仲人が関わり、媒酌人として式に立つことも一般的でした。
現在は「紹介のみ」「お見合いまで」など、関わり方は多様で、必ずしも媒酌人を立てる必要はありません。
どの範囲までお願いするかは、双方の希望と世話人との関係性で決めて問題ありません。
いずれの場合も、紹介してくれたことへの感謝を節目ごとにきちんと伝えることが大切です。
仲人への正しいお返事の伝え方
お見合い後の返事は、直接相手に連絡せず、必ず仲人を通じて行うのが基本マナーです。
早く・簡潔に・丁寧に伝えることで、相手への礼儀にもなります。
交際希望の場合の例
- 「本日は貴重なご縁をいただきありがとうございました。先方の方とお付き合いを希望したいと思います。」
お断りする場合の例
- 「大変恐縮ですが、今回はご縁を感じるに至らず、お見送りさせていただければと思います。」
- 「良い方と感じましたが、結婚を具体的に考える段階ではなく、辞退させてください。」
いずれの場合も、仲人へのお礼の言葉を必ず添えましょう。
後日あらためて電話や挨拶で感謝を伝えることで、今後の関係も円滑になります。
お見合いから始まる結婚への道のり
お見合い後、双方が交際を希望すれば「お見合い交際」がスタートします。
ここから先は、一般的な恋愛と同じように、お互いを理解しながら結婚を具体的に考えていく期間です。
長く曖昧にせず、節目ごとに気持ちを確認していくことが、お互いへの誠実さにつながります。
| 時期の目安 | ステップ | ポイント |
|---|---|---|
| 1〜2回目の面会 | 人柄・会話のテンポ・基本的な価値観を確認 | 無理なく話せるか、大きな違和感がないかを重点的に見る |
| 1〜3ヶ月 | 生活観・仕事観・家族観の共有 | お金の使い方、住まい、子ども観などを少しずつ話し合う |
| 3〜6ヶ月 | 結婚を前提とした意思確認 | 双方の気持ちが固まれば、両家挨拶や顔合わせへ進む |
あくまで目安であり、「この期間で必ず決めるべき」というものではありません。
ただし、ずるずる先延ばしにせず、定期的に話し合いながら進めることが、信頼関係を守るうえで大切です。
まとめ:安心してお見合いに臨むために
お見合い結婚は、「昔ながらの堅苦しい形式」ではなく、
信頼できる人のサポートを受けながら、自分の意思で相手を選ぶための一つの選択肢です。
世話人選び、身上書・家族書の整え方、会場と服装、当日のマナー、返事の伝え方、交際から結婚までの流れ。
これらの基本を押さえておけば、初めてでも不安を抑え、落ち着いてご縁と向き合うことができます。
大切なのは「形式通りにやること」だけではなく、相手への敬意と、自分の気持ちへの正直さです。
本記事を、お見合いに前向きな一歩を踏み出すための実用的なガイドとして役立ててください。

