結婚のお祝いと贈り物のエチケットガイド

結婚式マナー・結婚式ガイド

結婚のお祝いと贈り物のエチケットガイド|ご祝儀・品物・内祝いまで

結婚祝いは「何を、いくら、どんな形で贈るか」で、相手への印象が大きく変わります。
一方で、最近はご祝儀文化も多様化しており、「調べたけれど結局よく分からない」という声も少なくありません。
このガイドでは、招待の有無・関係性・金額感を軸に、迷わず選べる実用的なルールを整理して解説します。

この記事で分かること

  • 招待あり/なし/会費制など、シーン別「現金 or 品物」の判断基準
  • ご祝儀袋・水引・袱紗(ふくさ)の正しい選び方と包み方
  • 関係性別の金額目安と「多すぎ・少なすぎ」を避ける考え方
  • 喜ばれる贈り物の選び方と、避けた方がよいアイテムのポイント
  • 引出物・内祝いとのバランス、シンプルで使えるメッセージ例

まず押さえたい:贈るタイミングと基本マナー

結婚祝いのギフトとメッセージカード

結婚祝いは、相手の準備や生活の区切りを邪魔しないタイミングで届くことが大切です。
一般的な目安は、挙式の1か月前〜1週間前まで。当日に手渡しする場合も、この期間中に用意しておきましょう。

出席できない場合や、そもそも招待されていない場合でも、お祝いを贈ること自体は歓迎されます。
その際は、宅配便+メッセージカードで問題ありません。六曜(大安・友引など)は、こだわりが強い家でなければ必須条件ではなく、
気になる場合にだけ配慮する程度で大丈夫です。

  • 招待されている場合:当日のご祝儀(現金)が基本。品物は「+α」として無理のない範囲で。
  • 招待されていない場合:5,000〜10,000円程度の品物+メッセージが自然で負担も少ない。
  • 遠方などで欠席の場合:欠席の連絡のあと、挙式前か挙式後の落ち着いた頃に届くよう手配。
  • 職場関係:会社全体・部署一同などでまとめる場合は、個別とのバランスも意識する。

ご祝儀か品物か?ケース別の判断基準

「ご祝儀も贈りたいし、プレゼントも渡したいし…」と重ねすぎると、お互いに負担になります。
迷ったら、①招待されているか、②飲食が伴うか、③関係性の近さの3点で整理しましょう。

ケース別の目安

ケース おすすめ ポイント
結婚式・披露宴に招待された友人 ご祝儀2〜3万円 食事・引出物込みのため、現金が基本。プレゼント追加は3,000〜5,000円程度までで十分。
招待されていない友人・同僚 5,000〜10,000円相当の品物 新生活に役立つ実用品やカタログギフトが扱いやすい。
兄弟姉妹・親族 3〜10万円 地域・家の方針による差が大きいので、必ず家族と相談してから決定。
会費制パーティー 案内記載の会費のみ 基本は会費が「お祝い+飲食代」を兼ねる。追加で贈るなら事前に小さな品物を。

ご祝儀袋・水引・袱紗(ふくさ)の基本

結婚祝い用のご祝儀袋と水引

ご祝儀袋は「中身の額」と「シーン」に合っていることが大切です。
デザインより先に、次のポイントだけは押さえておきましょう。

  • 水引:結婚祝いは必ず「結び切り」または「あわじ結び」。何度も結び直せる蝶結びはNG。
  • 色:紅白または金銀。
  • 表書き:「寿」「御結婚御祝」が一般的。
  • 袋の格:包む金額に見合うものを選ぶ。少額に豪華すぎる袋は不自然。

お札は新札を用意し、人物の顔が上・封筒の表側に向くようにそろえて入れます。
ご祝儀袋は袱紗(ふくさ)に包んで持参し、受付で落ち着いて取り出して渡すと丁寧です。

  • 「蝶結び」「黒白の水引」「香典袋の流用」は婚礼では避ける。
  • 中包みには金額(漢数字)と住所氏名を記入しておくと親切。

連名で贈るときの書き方

グループや夫婦で贈る場合は、名前の並び方にも簡単なルールがあります。
体裁が整っているだけで、全員の印象が良くなります。

  • 友人3名まで:全員の氏名を横一列に記載(右から年長・代表者)。
  • 4名以上:「○○一同」とし、中に全員の氏名リストを入れる。
  • 夫婦:夫の氏名のみ、または右に夫・左に妻の連名。
  • 会社・部署名義:下段に会社名・部署名を記載。「寿」を表書きに。

結婚祝いの金額目安と考え方

ご祝儀金額イメージ

金額は「平均値」よりも、
自分の年齢・立場・相手との距離・周囲とのバランスで決めるのが現実的です。

相手との関係 目安金額 ポイント
友人・同僚(披露宴出席) 2〜3万円 20代前半は2万円もあり。迷ったら3万円で問題なし。
兄弟姉妹 3〜10万円 他の兄弟とのバランスを必ず確認。
親族(おじ・おば等) 3〜10万円 地域相場・家族ルールを優先。
招待されていない友人 5,000〜10,000円相当 現金より実用品やギフト券+メッセージが受け取りやすい。

奇数金額が好まれる傾向は残っていますが、現在は2万円も一般的に使われています。
気になる場合は3万円・5万円などにしておけば安心です。

贈り物選び|喜ばれる実用ギフトと注意ポイント

贈り物は「自分が贈りたい物」だけで選ぶと好みが外れやすくなります。
新生活で本当に使いやすいか、二人の負担にならないかを基準に考えましょう。

喜ばれやすい例

  • 上質なタオルセット・寝具・キッチンツール・食器
  • コーヒーメーカー、トースターなど生活家電(スペースが分かる場合)
  • カタログギフト:好みが読めない相手にも安心

注意したい例

  • 大きな家具・アート:置き場所や好みが分からない場合は避ける。
  • 高額ブランド品:相手に「お返しの負担」を感じさせることもある。
  • 意味が分かれる品(刃物・ハンカチなど):贈るなら実用性重視で、親しい間柄に限定。

内祝い・引出物とのバランス

引出物と内祝いの品

「内祝い」は、本来はお返しというより「幸せのおすそ分け」です。
現在は、いただいた金額の3分の1〜半額程度を目安に選ぶケースが一般的です。

  • 披露宴に招待している相手:料理+引出物が基本的なお返しになる。
  • 招待していない人から高額なお祝いを頂いた場合:後日カタログギフトや品物で内祝い。
  • のし表書き:「内祝」+新姓または夫婦連名で統一。

高すぎるお返しはかえって気を遣わせてしまいます。
「感謝が伝わる範囲」でシンプルにまとめる方が、相手にとっても心地よいです。

結婚祝いに添えるメッセージのコツ

メッセージは長文でなくても構いません。
大切なのは「お祝いの気持ち」と「これからを応援している一言」が入っていることです。
不安や別れを連想させる言葉、過度な内輪ネタは避けましょう。

  • 「ご結婚おめでとうございます。お二人の新しい毎日が笑顔であふれますように。」
  • 「末永く温かい家庭を築いてください。またお二人にお会いできる日を楽しみにしています。」
  • 「新たな門出を心よりお祝いします。これからの人生が穏やかで実り多い時間となりますように。」

まとめ|相手にとって受け取りやすいかが最重要

結婚祝いのマナーは細かく感じますが、軸はとてもシンプルです。
相手との関係性に合った金額と形で、気持ちよく受け取ってもらえるかどうか。

このガイドのポイントを押さえておけば、「多すぎたかも」「失礼だったかも」と悩まずに準備できます。
等身大の心遣いで選んだお祝いが、お二人の新しいスタートをあたたかく後押ししてくれるはずです。

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