結婚式招待への返信マナー解説

結婚式招待状

結婚式招待への返信マナー解説

結婚式の招待状が届くと、「すぐに返した方がいいの?」「出席と欠席、どう書き分ければいい?」と不安になる方も多いと思います。
招待状への返信は、単なる出欠確認ではなく、新郎新婦へのお祝いと信頼を伝える大切なマナーです。

この記事では、初めての方でも安心して書けるように、返信はがきの基本マナーから、
宛名面の書き方、特別な事情がある場合の書き方、避けるべきNG行為まで、順番に整理して解説します。
「何から手をつければ良いか分からない」という方でも、読み進めるうちに、具体的な書き方と流れがイメージできる構成にしています。

結婚式招待への正しい返事の仕方

まずは、どの招待状にも共通する「基本のマナー」から確認しましょう。
このポイントを押さえておけば、失礼のない返信ができるようになります。

1. 返信はできるだけ早めに出す

招待状には、多くの場合「〇月〇日までにご返信ください」と期限が書かれています。
新郎新婦は、出欠の人数をもとに、料理や席次表、引き出物などの手配を進めます。
期限ぎりぎりではなく、届いてから1週間以内を目安に返信すると、とても丁寧な印象になります。

やむを得ず出欠の判断に少し時間がかかる場合でも、「出席の方向で考えていますが、日程を調整中です」などと
一度連絡を入れておくと、相手も状況を把握でき安心です。迷ったときほど、連絡を後回しにしない意識が大切です。

2. 基本は出席を前提に考える

お祝いごとへの招待は、できるだけ出席するのが基本マナーとされます。
ただし、仕事や家族の事情、健康上の理由などで、どうしても出席できない場合もあります。そのときは、
理由を長々と書く必要はありませんが、「都合により」「やむを得ない事情により」などの言葉で簡潔に伝えると丁寧です。

例えば、次のような書き方であれば、角が立たずに事情を伝えられます。

  • 「あいにく先約があり、やむを得ず欠席させていただきます。」
  • 「当日は遠方に滞在中のため、出席がかないません。」

細かい理由を長々と説明するよりも、「行きたい気持ちはあるが今回だけは難しい」というニュアンスを添えることが大切です。

3. 出席・欠席別のメッセージ例

どのような文章を書けばよいか迷う場合は、次のような一文を添えると、気持ちが伝わりやすくなります。
メッセージは短くて構いませんが、「おめでとう」という一言があるだけで印象が大きく変わります。

シーン 一言メッセージ例
出席する場合 「ご結婚おめでとうございます。当日、お二人の晴れ姿を拝見できるのを楽しみにしております。」
やむを得ず欠席する場合 「ご結婚おめでとうございます。誠に残念ながら都合により出席がかないませんが、お二人の末永いお幸せを心よりお祈り申し上げます。」

上記はあくまで一例なので、自分の言葉に少し言い換えても問題ありません。
大切なのは、「お祝いの気持ち」と「出席できないことへのお詫び」がきちんと伝わることです。

4. 敬語表現や尊敬語を丁寧に扱う

招待状には、「御出席」「御住所」「芳名」などの敬意を表す言葉が多く使われています。
返信はがきでは、これらの言葉に一手間加えることで、招待してくれた相手への敬意を表します。

具体的には、「御出席」の「御」だけを二重線や「寿」で消して「出席」とし、「御住所」は「御」を消してから自分の住所を書く、
「御芳名」は「御」「芳」を消してから自分の名前を書く、というのが基本です。

一見すると細かな作業に思えますが、この一手間によって、
「お招きいただいたことを嬉しく受け止めています」という気持ちが、さりげなく相手に伝わります。

  • 返信は早めに:届いてから1週間以内を目安に。
  • 出席が基本:どうしても行けない場合は、簡潔に理由を添える。
  • 祝福の言葉を必ず添える:出席・欠席どちらの場合も、お祝いのひと言を書く。
  • 尊敬表現を丁寧に扱う:「御」「ご」「芳」などは、正しい形で消したり書き換えたりする。

この章のポイントを意識して書けば、「いつ返信するか」「何を書けばよいか」という基本の迷いは、ほぼ解消できます。

招待状裏面返信ガイド・縦横書きのルール

次に、実際に返信はがきの裏面(出欠や住所を書く面)の書き方を確認しましょう。
縦書き・横書きどちらのはがきでも、基本のルールは同じです。ここでは、書くときの順番をイメージしながら確認していきます。

1. 使用する筆記具とインク

返信には、黒インクのボールペンまたは万年筆を使用します。
鉛筆やフリクションペン、グレーがかったインクは避けましょう。グレーは弔事をイメージさせるため、
お祝いの場にはふさわしくありません。

最近はゲルインクペンなど書きやすいペンも多いので、にじみにくく、自分が一番きれいに書けるものを選ぶと安心です。

2. 「御出席」「御欠席」の消し方

多くの返信はがきには、「御出席」「御欠席」が並んで印刷されています。
この部分は、次のような手順で記入します。

  1. 出席・欠席のどちらかを選び、その言葉のうち「出席」または「欠席」にだけ丸を付ける。
  2. 「御」の文字を、二重線や「寿」の字で消す。(「御出席」の場合は「御」だけ、「御欠席」の場合も同様)
  3. 不要な方の「出席」または「欠席」は、斜線などで分かるように消す。

「寿」の文字を重ねて書いて消すスタイルは、結婚式ならではの華やかな書き方です。
かしこまった雰囲気を出したいときに取り入れるとよいでしょう。

3. 住所・氏名欄の書き方

住所や氏名の欄に、「御住所」「御芳名」などと印刷されている場合も、
敬称部分の「御」「芳」は二重線や「寿」で丁寧に消し、自分の住所・氏名を記入します。
「芳名」は「お名前」の尊敬表現なので、そのままにせず正しく処理するのがマナーです。

記入する順番に迷ったときは、①出欠欄、②氏名、③住所、④メッセージ、という流れで書くとスムーズです。
とくに住所は、番地や建物名の書き漏れがないか、最後にもう一度見直しましょう。

裏面に少し余白がある場合は、お祝いのメッセージを添えると、より心のこもった返信になります。
例として、次のような一文が書けます。

「ご招待ありがとうございます。当日、お二人にお会いできることを楽しみにしております。」

  • 返信はがきは黒インクのボールペンまたは万年筆で記入する。
  • 「御出席」「御欠席」は、「御」を消し、出欠どちらか一方だけを丸で囲む。
  • 住所・氏名欄の「御」「芳」も二重線や「寿」で消してから記入する。
  • 余白には、簡単でもよいのでお祝いのメッセージを添えると丁寧。
  • 「寿」の文字で不要文字を消すスタイルも、結婚式ならではの表現としてよく用いられる。

裏面の書き方は、一度覚えてしまえば他の招待状でも応用できます。
「黒のペンで、敬称を整え、最後にひと言メッセージ」を基本形として覚えておくと安心です。

結婚式招待状の宛名面の書き方

次は、返信用はがきの「宛名面」のマナーです。ここでは、相手の名前の後ろに印刷された「行」の扱いがポイントになります。
宛名面は、新郎新婦やご家族、式場スタッフが最初に目にする部分なので、特に丁寧さを意識して書きましょう。

1. 「行」を消して「様」に書き換える

宛名面には「〇〇 太郎 様 行」「〇〇家 御中 行」のように、「行」が印刷されていることがあります。
返信の際は、この「行」を二重線で消し、その近くに「様」と書き加えます。

「様」の位置は、元の文字とのバランスを見ながら書くのがポイントです。

  • 「氏名」と「行」が縦に並んでいる場合:消した「行」の左側や少し下に「様」と書く。
  • 「行」が左下に寄っている場合:氏名の真下あたりに「様」と書く。
  • 会社名のみの場合:「株式会社〇〇 御中 行」となっていることがあります。この場合は「行」を消し、「御中」はそのまま残します。

2. 宛名面で気をつけたいポイント

宛名面は、新郎新婦やご家族、式場スタッフが目にする部分です。
乱雑な字や、消し跡が汚くなってしまうと、せっかくの気持ちが伝わりにくくなってしまいます。

ゆっくり丁寧な字で書き、「行」の二重線も定規を使うなどして、できるだけきれいに引くように心がけましょう。
切手が必要な場合は、斜めになりすぎないように貼るだけでも、全体の印象が整って見えます。

宛名面は「相手に届く顔」のようなものです。
投函の前に一度全体を眺めて、「急いで書いたように見えないか」「名前の漢字は間違っていないか」を確認する習慣をつけると安心です。

招待状返信の特別な事情への対処法

返信はがきには、夫婦や家族で招待された場合や、アレルギー・妊娠中など特別な事情がある場合など、
いくつかの注意ポイントがあります。ここでは、代表的なケース別に書き方の例をご紹介します。

1. 夫婦・家族で招待された場合

夫婦や家族で招待された場合は、返信はがきの氏名欄に、出席する人の名前を明確に記入します。

  • 夫婦ともに出席する場合:「山田 太郎・花子」のように連名で記入。
  • どちらか一方だけ出席する場合:出席する側の氏名のみを記入。

メッセージ欄には、「夫婦二名で出席させていただきます。」など、
人数が分かるように一言添えると、先方にも親切です。

2. 食物アレルギーや体調面の事情がある場合

食物アレルギーや体調面で配慮が必要な場合は、遠慮せずに返信はがきの余白に記載しましょう。

例:

「甲殻類アレルギーがございます。お手数をおかけしますが、ご配慮いただけますと幸いです。」

妊娠中の場合や、小さなお子さまを連れての出席が想定される場合も、
「現在妊娠中のため、長時間の立ちっぱなしが難しい可能性があります。」など、事前に一言添えておくと当日の案内もスムーズになります。

3. 受付係などを依頼された場合

招待状に「受付をお願いしたい」といったメッセージが添えられている場合、
返信では、その依頼に対する返事も合わせて伝えます。

受付係を引き受ける場合は、その旨をメッセージ欄にはっきりと記載すると安心です。

例:

「受付係をお任せいただき光栄です。当日、精一杯務めさせていただきます。」

以下の表は、よくある特別な事情と、返信はがきに添える内容のイメージをまとめたものです。
自分の状況に近い行を参考にしながら、実際の事情に合わせて書き換えてみてください。

ケース 記載のポイント 一言例
夫婦・家族で招待された 出席人数と続柄が分かるようにする 「夫婦二名で出席させていただきます。」
食物アレルギーがある 具体的な食材名を明記する 「甲殻類アレルギーがございます。」
妊娠中・体調面の配慮が必要 無理のない範囲で、配慮してほしい点を簡潔に伝える 「現在妊娠中のため、長時間の立ち姿勢が難しい場合がございます。」
受付などを依頼された 引き受ける意思をはっきり書く 「受付を務めさせていただきます。当日よろしくお願いいたします。」

表の文面はあくまで目安です。状況に応じて言葉を足したり減らしたりしながら、
「相手が準備しやすくなる情報」を意識して書くと、より親切な返信になります。

  • 夫婦・家族で招待されたら、出席する人数が分かるように氏名を記入。
  • アレルギーなどの事情は、具体的な食材名を挙げて丁寧に記載。
  • 受付などを依頼されたら、引き受ける旨をメッセージ欄で明確に伝える。

特別な事情を書くときは、「わがままを言ってしまっている」と感じる必要はありません。
事前に共有しておくことで、当日のトラブルを防ぎ、相手の負担も軽くすることにつながります。

招待状返信のNG行為と注意点

最後に、うっかりやってしまいがちなNG行為と注意点を確認しておきましょう。
少し意識するだけで、ぐっと丁寧な印象になります。

1. 返信の遅れ・未返信

招待状の返信をしない、もしくは期限を大きく過ぎてしまうのは、
新郎新婦に負担をかけてしまう行為です。電話やSNSで出欠を伝えていても、
返信はがきは必ず返送するのがマナーです。

仕事が忙しくて後回しにしがちな方は、「招待状を受け取ったその日のうちに下書きだけしておく」など、
自分なりのルールを決めておくと、書き忘れを防ぎやすくなります。

2. 文字が雑・読みにくい

とても上手な字である必要はありませんが、読みやすさを意識して書くことが大切です。
イラストや装飾を添える場合も、文字が読み取れなくなるほどのデコレーションは控えるようにしましょう。

迷ったときは、「年配の親族が読んでも分かりやすいかどうか」を基準にすると判断しやすくなります。
細い線で薄く書くよりも、少し太めの線ではっきりと書く方が、全体としてきれいに見えます。

3. 忌み言葉を使ってしまう

結婚式では、「別れる」「切れる」「終わる」など、不吉な印象を与える言葉は避けるのが慣習です。
また、「重ね重ね」「再び」など、繰り返しや再婚を連想させる表現も避けた方が無難です。

例えば、「何度もお世話になり、重ね重ね感謝申し上げます」といった表現は、
結婚式のメッセージでは「日頃より大変お世話になっております。改めて感謝申し上げます。」などと言い換えると安心です。

  1. 期限内返信:出欠確認は新郎新婦の準備に必須。指定期日より少し早めの返信を心がける。
  2. 返信はがき必須:電話やSNSだけで完結させず、必ず返信はがきを返送する。
  3. 丁寧な文字で:読みやすい字で記入し、イラストやデコレーションは控えめに。
  4. グレーのペンは使わない:弔事を連想させるため、結婚式では避ける。
  5. 忌み言葉を避ける:「重ね重ね」「再び」「切れる」「別れる」など不幸や別れを連想させる表現は使わない。

NG行為をすべて完璧に覚える必要はありませんが、「お祝いの場にふさわしいか」という視点で読み直すだけでも、
多くの失敗は防げます。迷ったときは、シンプルで丁寧な表現を選ぶのがおすすめです。

まとめ:不安なく返信するための最終チェックリスト

結婚式の招待状への返信は、難しそうに感じるかもしれませんが、
ポイントを押さえれば落ち着いて対応できます。最後に、投函前に確認したい項目をチェックリストにまとめました。

  • 返信期限より前に投函できるタイミングか確認した。
  • 黒インクのボールペンまたは万年筆で、読みやすい文字で記入した。
  • 「御出席」「御欠席」などの「御」や、「御住所」「御芳名」の敬称を正しく消した。
  • 宛名面の「行」を二重線で消し、「様」または「御中」と丁寧に書き換えた。
  • 出席・欠席にかかわらず、お祝いのメッセージを一言添えた。
  • アレルギーや特別な事情があれば、先方に分かるように明記した。
  • 忌み言葉や不適切な表現が紛れ込んでいないか見直した。

これらのポイントを押さえて返信すれば、新郎新婦への敬意と祝福の気持ちがしっかりと伝わります。
結婚式の招待状への丁寧な返信は、お祝いの場をともにつくる、大切な第一歩です。

結婚式招待への丁寧な返信は、新郎新婦への感謝とお祝いの気持ちを形にする大切なマナーです。
一つ一つ確認しながら、安心して投函できる返信はがきを整えていきましょう。
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