新郎新婦と両家代表による招待状ガイドと文例

結婚式招待状

新郎新婦と両家代表による招待状ガイドと文例

結婚式の招待状は、単なる「お知らせ」ではなく、ふたりとご家族の思いを伝える大切な手紙です。
とくに、「新郎新婦の名義で出すか」「両家代表(両家の父・両親)の名義で出すか」によって、受け取る印象や格式が変わります。

この記事では、両家代表の名で出す招待状と、新郎新婦+両家代表の連名で出す招待状を中心に、
名義選びの考え方と具体的な文例を整理してご紹介します。
「どのスタイルが自分たちに合うのか」「どんな文章にすればよいのか」を、一緒に整理していきましょう。

招待状の名義を決める前に押さえたい基本

まずは、招待状の名義による違いをざっくりつかんでおくと、後の文面選びがスムーズになります。
よく使われるパターンを、目的別にまとめると次のようになります。

スタイル 主なイメージ・特徴 向いているケース
両家代表(両家の父・ご両親)名義 格式が高く、親が主催する印象になる 伝統的な披露宴/親族中心/目上のゲストが多い場合
新郎新婦名義 ふたり主体でカジュアル〜セミフォーマルな印象 友人中心/会費制/少人数ウエディングなど
新郎新婦+両家代表の連名 両家の結びつきと、ふたりの主体性のバランスが良い 親族・友人がバランスよく出席する一般的な披露宴

名義の決め方に「絶対の正解」はありませんが、次のポイントをチェックしておくと選びやすくなります。

  • 披露宴の「主催者」を誰と位置づけるのか(親か、ふたりか、両方か)
  • ゲストの中心が「親族」「職場」「友人」のどこか
  • 会場やプランナーから、格式や文面の方針に制約がないか

この記事では、両家代表名義新郎新婦+両家代表連名の文例にしぼって、実際に使いやすい形で整理していきます。

両家代表の名で書く招待状の基本

両家代表名義の招待状イメージ

両家代表の名で出す招待状は、「両家が主体となってゲストをお招きする」という伝統的なスタイルです。
親御さんがご招待の責任を担う形になるため、目上の方や仕事関係のゲストが多い披露宴にも向いています。

文面の流れは、どのパターンでもおおむね次の順番を意識すると整いやすくなります。

  • 季節のあいさつ・相手の健康や繁栄を気づかう言葉
  • 結婚の報告(新郎新婦の氏名・両家の名前)
  • 結婚式・披露宴を行うこと、招待の趣旨
  • 出席をお願いする一文
  • 日付と、両家代表(通常は両家の父または両親)の氏名

以下では、媒酌人なし/媒酌人あり/養子縁組を含む場合の3パターンに分けて文例をご紹介します。
それぞれ「どんな状況に合うか」もあわせて確認しながら選んでみてください。

文例紹介 – 両家代表の名前

両家の父の名前で送る(媒酌人なし)

媒酌人を立てず、両家が中心となって披露宴を開く一般的なかたちです。
親族や職場の上司など、少しかしこまったゲストが多い場合にも使いやすい表現です。

文例1:シンプルに門出を知らせたい場合

謹啓 清涼な秋風が心地よく感じられる頃となりました
皆様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます

このたび ○○家二男 ○○ と ○○家長女 ○○ が結婚する運びとなりました
つきましては ささやかではございますが 両家にてささやかな披露の宴を催したく存じます
ご多用のところ誠に恐れ入りますが ぜひご臨席を賜りたく 謹んでご案内申し上げます

敬具
令和◯年◯月吉日
○○ ○○(新郎父)
○○ ○○(新婦父)

文例2:両家が一つになることを強調したい場合

謹啓 実りの秋を迎え 皆様にはいよいよご清祥のこととお慶び申し上げます

このたび ○○家二男 ○○ と ○○家長女 ○○ が結婚し
両家が新たにご縁を結ぶこととなりました
つきましては 両家親類縁者の皆様にお集まりいただき
二人の門出を祝うささやかな宴を催したく存じます

ご多用中とは存じますが 何とぞご臨席賜りますようお願い申し上げます

敬具
令和◯年◯月吉日
○○ ○○(新郎父)
○○ ○○(新婦父)

両家の父の名前で送る(媒酌人あり)

親しいご夫婦やご親族に媒酌人をお願いする場合は、媒酌人のお名前をきちんと文中で紹介します。
媒酌人への敬意と、結婚にあたってお世話になったことをさりげなく伝えられる文面です。

文例:媒酌人夫妻のご尽力に触れるパターン

謹啓 秋冷の候 皆様にはいよいよご清祥のこととお慶び申し上げます

このたび ○○○○ご夫妻のご媒酌により
○○家二男 ○○ と ○○家長女 ○○ の結婚が整いました
つきましては 両家にてささやかな披露の宴を催したく存じます

ご多用の折まことに恐縮ではございますが
何とぞご臨席賜りますよう謹んでお願い申し上げます

敬具
令和◯年◯月吉日
○○ ○○(新郎父)
○○ ○○(新婦父)

両家の父の名前で送る(養子縁組を含む場合)

養子縁組をともなう結婚では、どの家に入籍するのかを簡潔に添えると、親族にも状況が伝わりやすくなります。
詳細を細かく書きすぎる必要はありませんが、誤解のないよう落ち着いた言い回しを心がけましょう。

文例:養子縁組を穏やかに伝えるパターン

謹啓 向秋のみぎり 皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます

このたび ○○家二男 ○○ は ○○家長女 ○○ と結婚し
あわせて ○○家の一員として迎えられることとなりました

つきましては 両家親類縁者の皆様にお集まりいただき
二人の門出を祝う披露宴を催したく存じます

ご多用の折とは存じますが ご臨席賜りますよう謹んでお願い申し上げます

敬具
令和◯年◯月吉日
○○ ○○(新郎父)
○○ ○○(新婦父)

両家代表名義では、「誰がゲストを招いているのか」がはっきり伝わることが大切です。
季節のあいさつ → 結婚の報告 → 披露宴への招待 → 日付・署名の流れを意識して整えると、自然で読みやすい文面になります。

新郎新婦と両家の父(両親)の連名で出す招待状

近年増えているのが、新郎新婦と両家代表の連名による招待状です。
両家のご挨拶を保ちつつも、「ふたりが主体となって準備している」こともさりげなく伝えられます。

形式としては、文面自体は新郎新婦が語りかける形にし、末尾に両家の父(または両親)の氏名を添えるパターンが一般的です。
ここでは、季節ごとに使いやすい例文をご紹介します。

文例紹介 – 新郎新婦と両家の父の連名

文例1:春の結婚式の場合

桜の花がほころぶ頃となりました
皆様にはますますご清祥のこととお喜び申し上げます

私たち ○○○ と ○○○ は このたび結婚式を挙げることになりました
日ごろお世話になっている皆様に感謝の気持ちをお伝えしたく
ささやかながら披露の宴を催したく存じます

ご多用とは存じますが ご臨席賜りましたらこのうえない喜びでございます

令和◯年◯月吉日
新郎 ○○○
新婦 ○○○
(両家代表)
○○ ○○(新郎父)/○○ ○○(新婦父)

文例2:秋の結婚式の場合

秋風が心地よく感じられる季節となりました
皆様にはいよいよご健勝のこととお慶び申し上げます

私たち ○○○ と ○○○ は このたび結婚し 新たな家庭を築くことになりました
つきましては これまでお世話になりました皆様へのご挨拶をかねて
ささやかな披露宴を催したく存じます

ご多用のところ誠に恐縮ではございますが
ご出席いただけますと幸いに存じます

令和◯年◯月吉日
新郎 ○○○
新婦 ○○○
(両家代表)
○○ ○○(新郎父)/○○ ○○(新婦父)

文例3:季節を問わず使えるシンプルなパターン

謹啓 皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます

私たち ○○○ と ○○○ は このたび縁あって結婚することとなりました
つきましては 日ごろお世話になっております皆様にご挨拶かたがた
ささやかな披露の宴を催したく存じます

ご多用の折とは存じますが ぜひご臨席賜りますようお願い申し上げます

敬具
令和◯年◯月吉日
新郎 ○○○
新婦 ○○○
(両家代表)
○○ ○○(新郎父)/○○ ○○(新婦父)

名義と文例を選ぶときの簡単チェックリスト

ここまでの文例をもとに、「自分たちはどのパターンを選ぶとよいか」を整理するためのチェックリストです。
当てはまる項目が多いスタイルを候補にすると、迷いが減ります。

  • 両家代表名義を選びたいとき
    • 親族や目上のゲストが多く、できるだけ格式を大切にしたい
    • 親御さんが披露宴の費用や運営を主に担っている
    • 昔ながらのスタイルを好む家風である
  • 新郎新婦+両家代表の連名を選びたいとき
    • 親族・友人・職場とゲストの顔ぶれが幅広い
    • ふたり主体で準備しつつも、両家のつながりも大切にしたい
    • カジュアルすぎず、かしこまりすぎない文面にしたい

まとめ

本記事では、新郎新婦と両家代表による招待状の名義と文例について、基本の考え方と具体例を整理しました。
重要なのは、「誰がどのような気持ちでゲストをお招きするのか」が、文面から自然に伝わることです。

もう一度ポイントを整理すると、次の3つが軸になります。

  • 披露宴の主催者やゲストの顔ぶれに合わせて、名義スタイルを選ぶ
  • 季節のあいさつ → 結婚の報告 → 招待の趣旨 → 日付と署名の流れを守る
  • 家ごとの事情(媒酌人・養子縁組・親の希望など)を、落ち着いた言葉で丁寧に添える

ここで紹介した文例は、あくまでベースとなるひな形です。
実際に使う際は、自分たちのエピソードや家族の意向に合わせて、言葉を一つひとつていねいに整えていくことが、心のこもった招待状づくりにつながります。

この記事を参考にしながら、「我が家らしい一通」をじっくりと仕上げてみてください。

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